*人と犬が平等な国* 人の上に犬がおらず、犬の上に人がいない-とうとう四月が来た。 過去に恐ろしく成長し世界を驚かせた「アリコ共和国」(ROA)で人口絶壁現象が現れ、人口消滅論、国家消滅論が深刻に台頭し始めたのだ。 育児、教育、就職、結婚、住居など人生のすべてが厳しくなったため、結婚率が下がり、出産率はさらに目立って下がった。 結婚した夫婦は子供を産むことをためらい、未婚の若者たちは就職、結婚、住居などが大変で結婚を先送りしたり、最初から一人で暮らす。 それでDINK(double income nokid)族のように愛なく二人が共稼ぎして格好よく暮らす。あるいはYOLO（you only live once）族のように結婚も子供も面倒だ、私一人でできるだけ生きるという頑ななな家族が増えていった。 政府がいくら出産を奨励し、インセンティブを提供しても、百薬が無効で、出産率の下降曲線はさらに急傾斜となった。 統計学者たちは、今後30年が過ぎれば人口が半分に減り、再び30年が経てば国がなくなると絶望的な警告をするに至った。志のある人々は、「日本の植民地時代には国は滅びても民族は生きていたが、今は国だからといって民族であり、皆が滅びつつある」とし、対策のない政府を糾弾する。家ごとに子供たちの声が止まり、産婦人科病院では新生児の泣き声を聞くのが難しくなり、産婦人科病院が一つ二つ閉鎖し始めて久しい。 学校が閉校し、国の未来が暗鬱になったが、国民はまだこれを肌に感じていない。 むしろ出産、育児、教育などから解放された人々は、子供の代わりに代理満足を得るために子犬のようなペットを飼い始めて久しい。 子犬に服を着せ、ベビーカーに乗せて歩き回り、子犬を「私たちの赤ちゃん」と言って子犬たちにあらゆる真心を注いだ。 犬ホテル、犬幼稚園ができて久しい。 公園と遊歩道で出会うベビーカーの2つのうち1つには、赤ちゃんの代わりに子犬が座っているほどで、人が半分、半分であるほど犬が溢れている。 全国のペットの数がすでに1,500万を超え、2000万に向かって行くと、平均一世帯に1匹またはそれ以上のペットがいるほどだ。 もちろんペットの数が圧倒的に多い。現職大統領も子供がいないため、数匹の犬を子供のように大事に育てているということは、選挙運動の時から広く知られている事実であり、前職大統領の犬の愛も「二番煎じ」と悲しむほどだ。 彼らの変わった犬愛を見ればヨン様、いや犬様と呼ぶべきだろう。今や人々が子犬を子供の代わりに育てる一般化される時代になった。 人々の自嘲的な嘆きが聞こえ始める。 「このままでは人は皆いなくなって犬の天国になるのではないか?」または「あの老夫婦、子供もいないのに死んだら遺産を子犬が受け取るだろう?」またある若い夫婦は「私たち夫婦は子供を産まないことにしました。 この子がうちの子です」と言いながら服を着せてあらゆる装いをした子犬を見せたりもする。遺伝工学者、生命科学者たちがこれまで人間と動物の交接に関して長い間研究をしてきたが、ある日世界がびっくりする研究発表をした。「これまで人間と犬の精子と卵子を受精させるための不断の努力をしてきましたが、遺伝因子の不一致などにより多くの失敗をしてきました。 最近、遺伝工学と生命工学の共同研究を通じて、ついに人間の精子と犬の卵子を受精させることに成功し、この水晶体を母犬のお腹の中で6ヶ月の妊娠期間後に出産しました。 今生まれて1年経ったこの赤ちゃんはよく育っています。 この赤ちゃんは、頭は犬の頭にもっと似ていて、体は人の体にもっと似ていて、私たちはこの赤ちゃんを個人間(ドクヒューマン:dog-human)と呼びます。 この個人間の知能は人と犬の中間程度であり、直立して両足で歩けると予想します」それから3年後、科学者たちは再び新しい実験を始めた。 女性の卵子と犬の精子を受精させ、女性の体内で10ヵ月間育った後、出産に成功した。 しかし、この赤ちゃんはシラムにもっと似た頭に犬にもっと似た体を持っている。 科学者たちはこの子を人間犬(ヒューマンドック:human-dog)と命名し、知能度は個人間より優れているが、直立で歩くより半分は歩いて半分は立つような中途半端な姿勢で歩き、体には毛が生えると予想した。 それから10年余りが経つと、人間犬と個人の間は予想通りよく育ってくれた姿、知能などが人間と犬の両面を持っていたが、人の言葉に従順で親密性、習得力が高く、純粋な人間社会だけを主張する純血主義者たちも人間犬と個人の間を肯定的に見るようになった。今やアリコ国はすでに人口の4分の1が減っており、政府では人間の出生率浮揚に対する期待は完全に諦めている。 代わりに、人間犬と人間の間を人間の子孫にできるかについて真剣に検討し始めた。 人々はすでに人の子供の代わりに自分の精子と卵子を提供して人間犬または個人肝臓を生産して家で子供のように育て始めた。また、人工知能(Al)が極度に発達し、AIを装着したロボットが個人間と人間犬の足りない知的水準を満たし、彼らが社会生活をするのに全く無理がない時代になった。 今は人と犬がAIを愛用して言語疎通までするに至った。 そして彼らのための教育施設も作られ、ついに個人間と人間犬にも人と同等の社会的待遇をしてほしいと要求するに至った。 また、人、個人間、人間犬、そして犬の間で相互交接が自然発生的に起き、今や人間から犬までの間で多様な種が生まれる多変種の春秋戦国時代が到来した。今や国ではこれに対する様々な法的·社会的制度に対する研究が盛んだ。 次は法的に社会的に議論され、解決しなければならない問題点だ。-人、個人間、人間犬、犬を法的に社会的に同等の地位に置かなければならないのか。 人だけを国民として認める場合、国家の消滅が遠くないため、個人間と人間の改等を国民として認めなければならないという当為論に直面している。 この場合、個人間、人間犬の生物学的な親である犬も国民として認めるべきか。 この場合、旧インドのようにキャスト制度を作って差をつけるのが当然なのか。-人と犬の結婚、また人間、個人間、人間犬、犬の相互間の結婚を法律で認めるべきではないだろうか。-ヒューマンダック、ダックヒューマンを子供として戸籍に載せ、財産相続なども同様に認めるべきではないか。-個人間、人間犬および犬の国民としての権利を許容する場合、教育、勤労、納税、国防などの国民の義務もやはり負担させるべきではないか等々···ついにアリコ共和国では憲法改正がなされ、そのうち代表的なものは以下の通りである。憲法2条1項及び11条は次のとおりである。 2 条1 項:アリコ共和国の国民の条件は、法律で以下のように定める。 アリコ共和国の国民は、アリコ共和国の国籍を有する者、個人間、人間犬、犬とその子孫で定める。第11条:アリコ共和国の国籍を有する国民である者、個人間、人間犬、犬はいずれも法の前に平等である。 誰でも性別、宗教、または種や外見、社会的身分によって政治的、宗教的、社会的、文化的差別を受けない。 ところが、予期せぬ根源的な問題が発生した。 国民の4大義務に関する憲法31、32、38、39条の法条文が結局問題になったのだ。「すべての国民は納税、教育、勤労、国防の義務を負う」という内容だ。これまで出産と育児、教育、就職、結婚などの肉体的、精神的、経済的に大変で手に余る荷物から抜け出そうと子供を産まず、代理満足を得ようと子犬を育て始めた。 ところで個人間、人間犬を産んで育てて教育させ、就職や結婚まで心配しなければならないなら、なぜ個人間、人間犬を産まなければならないのか。 また、彼らと結婚したり。人々は赤ちゃんを産んで種族を保存する極めて当然な自然の法則を無視し、子犬たちを育てながら考えもなく過ごしてきたことがどれほど大きな災いを招いたのか気づき始めた。 今や人々は現実に気づき、再び元の人気社会に戻ることを望んだ。 しかしどうしよう、また取り返しがつかないことを。 純粋な人間はもう少数で、個人間、人間犬、そして犬たちが多数の犬版の国になったから。残り少ない純粋な人間たちは子供を産んで育てながら苦労して生きてきたが、子供を育てた甲斐を感じながら生きてきた昔のコリアを懐かしんでいる。-自然は決して急がず言い訳もせず後悔することもない。 毀損された自然は取り返しのつかないものだ。
